この記事で
▶ 事業を始めるには〈届け〉が必要
開業届、その他の手続についてお話ししました。
開業届って、知ってしまえば手続き自体はとっても簡単。にもかかわらず、届けを出すことをためらってしまう理由の一つに、
〈扶養の範囲から外れるか否か〉という女性ならではの悩み
があるようにも思います。
女性起業のひとつの形として、結婚して配偶者の扶養に入っている場合、
「扶養の範囲内で稼ぎたい」
と考える人も少なくありません。
私も会社員を辞めていったん専業主婦になり、そして個人事業主として動き出した時、すごく悩みました。
扶養から外れたら、年金や保険など今度は自分で払う必要がでてきます。税金、社会保険、旦那さんの会社規定、旦那さんが自営の場合、それぞれを総合的に見ていく必要があります。
ちょっと難しく感じてしまいますよね。
でも、難しそうだからと見ないフリをしてても始まりません。知らないから不安に感じてるだけかもしれません。知ってしまえば「じゃぁどうする?」を決めることができます。
私も本や各サイトからの受け売りなのですが、 しっかり知ってみようと思うきっかけになれたら嬉しいです。ひとつずつ、整理してきましょう。
1〈扶養範囲〉を調べておく
扶養範囲といっても3つの基準があります。
- 税金
- 社会保険
- 旦那さんの会社の規定
この3つから総合的に判断していく必要があります。
ひとつずつ、ざっと見ていきますね。
A 税金
税金で主に関係するのは所得税と住民税。
どちらも〈基礎控除〉というものがあって、
所得税は48万円。
住民税は43万円です。
(2020年度より 年収2,400万以内の場合)
1年のあなたの所得額がこれらの数字を超えると、所得税や住民税を払う必要がでてくる=扶養を外れることになります。(税額は所得によって、住民税は地域によっても違いがあります)
また、配偶者控除や配偶者特別控除については、あなたと旦那さん、両方の年収が関係してきます。
B 社会保険
社会保険は、旦那さんの会社が加入している健保組合によって違います。
年収130万までOKだったり、妻が個人事業主だと収入にかかわらずNGのところもあります。
C 旦那さんの会社の規定
例えば旦那さんの会社から、妻に手当支給が出ているような場合。
これについても、妻の収入により制限があったり、個人事業主であれば支給がなくなることもあります。
法改正や既定の変更により、基準は変わっていきます。アンテナを張って確認していく必要がありますね。
2 開業届を出すと扶養から外れる?
答は、
「扶養から外れる可能性 も ある」
です。
税金は、前年の所得に応じて今年納める金額が決まります。
開業届の有無は直接は関係がありません。
開業届を出すことで影響があり得るのは、社会保険や、旦那さんの会社からの手当ての部分です。そこは前述したように、旦那さんの会社や健保組合によって違うので確認が必要です。
また、扶養から話は離れますが、開業届提出後は失業手当をもらっている人は当然もらえなくなります。
あなたが、もし、今、主婦であるならば、
起業する時点でご主人としっかり話をしておく必要がありますね。
ここまでいくつかの数字が出てきましたが、〈所得〉と〈収入〉の違いには気づきましたか?
最後に、これについても整理しておきましょう。
3 収入と所得について
基準となる数字が、〈収入〉なのか〈所得〉なのかで大きく違います。
【収入-(必要経費+控除等)=所得】
ごっちゃになっていた方は、もう一度読み直してみてくださいね。知っておくこと、大事です。
プチ起業でも、主婦起業でも、パート起業でも、どんな形態であっても起業するのなら、自分で支払わなくてはいけないものも増えます。所得が290万以上になると事業税もかかってきます。
扶養範囲や税金を心配しなくていいほど、がっつり稼げたらいいですよね。
だから、私が起業塾で伝えてること。
「ちゃんと売上げ、上げていきましょうね」
4 まとめ
いくら売上げたいのかも、扶養から外れるのも外れないのも、あなたが決めることです。
どっちを選んでも正しい。
起業する時って、初めてのことばかりなので、誰だって多少の不安はありますよね。でも、不安って「知らないから」起きていることがほとんどなんですね。私も今となって、「あの時知ってたらよかった!」と思うことがいっぱいあります。
起業に対して何か「不安」に思っている人は、何を「不安」に思っているのかを明らかにすること、調べたり、勉強したり、知っている人に聞いてみることをお勧めします。
わかりやすいサイトを見つけましたので、参考にしてみてください。
また、この先も法律の変更等あり得ます。今回の話に限らず、サイトで情報を得る時は、更新月をよく確認してくださいね。
【扶養内範囲について】
▶ 2020年版/扶養控除・扶養内について簡単にわかる!年収130万の壁って何?